より速く。より正確に。
常にラインの効率化を追求する製造業界において、レーザマーカの性能はきわめて重要な要素である。SUNX LP-430は、こうした市場のニーズに応え、かつてない高速・高精度印字性能と、使いやすさに優れた様々な機能を載せて登場した。
印字速度700字/0.99秒。30W高出力レーザ。ヘッド回転機構。フォーカス調整機能。焦点調整用デュアルポインタ。これら業界最高クラスのスペックを、一定のコストと設置性を維持しながら実現するのは決して容易なことではなかった。そこには、気が遠くなるほどのトライ&エラーを繰り返しながら、経験と忍耐と閃きによって数々の課題をクリアしたプロジェクトメンバーたちの物語があった。

プロジェクトに与えられた700字/秒の印字速度を実現するためには、従来の2倍以上の駆動性能を引き出す高速ガルバノスキャナが不可欠であった。モータの性能向上はもちろん、高速化にともない発生したミラーの振動や加速・減速時の誤差を解消しなくてはならず、開発は初期段階から難航した。
振動を減らすためにミラーを小さく軽くすると、その分レーザの調整がシビアになる。速度と精度、そしてコストの最適バランスを求めて、試行錯誤が続いた。ミラーをわずかに設計変更するたびに、ドライバ基板も設計し直さなくてはならなかった。最適設計に到達するまでに、レーザ、機構、電気関連を担当する各スタッフは多大な労力と時間を費やしたのであった。
高速ガルバノの採用によって、もうひとつ大きな問題が発生した。熱対策である。従来の2倍以上の速度で動作するためモータが発熱し、作動に誤差が生じるなど本来の性能が発揮できなくなってしまうのだ。ヘッド内部は高い防塵性を確保するために排熱ができず、直接冷却することもできない。難題であった。
しかしこの問題は意外な方法で解決することができた。本体に通風口を開け、レーザ発振器を冷却したエアーをそのままヘッド部に向けて当ててみたところ、正常動作温度を維持することができたのだ。新たに冷却ファンなどを追加しないため消費電力もそのまま。担当スタッフはさらに作業者の安全にも配慮し、指などが入らないよう、通風口に細かなスリットを付けることにした。ちょっとした工夫とこだわりによって生まれた新機構である。

LP-430の高速印字は決して一朝一夕に実現したわけではなかった。ここに紹介したエピソードをはじめ、その背景には様々な課題があり、プロジェクトチームの創意と工夫、努力によってそれらを乗り越えてきたのだ。そしてLP- 430が製品として完成するまでには、さらにいくつもの難関が待ち受けていた。